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2009年1月 4日

時は流れて

その昔、うーん、かれこれ三十年くらい前の話なんですが、当時の叔父の愛車が日産ブルーバードだったんです。そして我が家の愛車はカローラでした。
当時のカローラの助手席側ダッシュボードは、上部がトレイのような形状になっていて、そこに小物を乗せられるようになっていました。一方ブルーバードは、上部がトレイ形状になっていなくて、さらに窓から座席側に滑り落ちるような傾斜が付いていたので、モノが乗せられなかったのです。

叔父は言いました。「こういうところがやっぱりトヨタと日産の差なんだよなぁ」と。
当時の私はそれを聞いて、なるほどな、と思いました。これは今で言うところのユーザビリティということになるんでしょうが、ダッシュボードの形状を少し変えるだけで使い勝手を大きく変えられるわけです。


そして時は流れました。
自分が車を買うとき、選んだのは日産車でした。そしてダッシュボードの形状は、ブルーバードよろしく、モノが乗せられない形状でした。そして気付いたんですね。きっとこの車のデザイナーも、当時のブルーバードのデザイナーも、ユーザビリティよりもデザインにこだわったのだと。ダッシュボードに小物を置けるメリットは、彼らにとってメリットでも何でもなくて、むしろモノは置いて欲しくなかったのだと。
特に車の場合、単なる使い勝手よりも、高級感等による他車との差別化が営業戦略になるのでしょうから、いわゆるカッコよさは重要です。ダッシュボードにたくさんのモノが乗っていたら、あまり美しくないもんね。
展示車だけじゃなくて、街中を走っている車のイメージだって、これから車を買う人にとっては重要です。やっぱり車を作る人も、ユーザーにカッコよく乗って欲しいと思っていることでしょう。


そしてまた時は流れました。
日産車はそれっきりで、最近はずっとホンダ車です。今じゃ所有している車のダッシュボードの形状すら覚えていません。エアバッグ装着が当たり前のようになっているので、ダッシュボードにモノなんか乗せたら危険です。そんな風に車の常識も年々変化するわけですね。

正月に叔父の顔を見て、ちょっとそんな話を思い出したのでした。

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