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2008年11月10日

プロ野球雑感

日本シリーズ第七戦を見た。もちろんテレビ中継でだ。

北京五輪での野球はテレビにかじりついたが、プロ野球中継では今シーズン初めてしっかりと見たように思う。今年は阪神戦さえ見なかった。まず開幕戦を見なかった。阪神が首位を独走しているときも見なかったし、終盤に読売と優勝争いをしているときも一切見なかった。Webで結果だけを軽く見る程度。果たして野球に胸がときめかなくなってしまったのだろうか。

日本シリーズの最終戦、すなわち日本のプロ野球の最終戦という付加価値も加わっているからだと思うが、きちんと見ればやっぱり面白いじゃないか。中盤以降一点を争う展開になったのも良かったのだとは思う。また個人的には、レギュラーシーズンで一位になったチームがそれぞれクライマックスシリーズを勝ち上がったのも良かったと思う。

記憶に残る日本シリーズと言えば92年の森西武対野村ヤクルト。私もいい年齢になってしまったせいか、日本シリーズと言えばデーゲームという印象が強い。92年はまだデーゲームだったので、土日しか見られなかったが、テレビの前に釘付けにさせられた。

本当に面白いゲームはスターがいなくても面白い。だから大リーグにスターが流出しても、面白いものは面白い。けれどイメージとしては、大リーグに挑戦する選手が増えたために、日本のプロ野球の価値が相対的に下がったのは否めない。

原因は大リーグへの選手の流出だけではないはずで、テレビ番組の編成上の問題だとか、価値観の多様化、家庭用ゲームの普及、家にいる時間の減少等、たくさんあるはずだ。結果、地上波のテレビ番組からレギュラーシーズンの中継が激減した。

繰り返し書くが、絶対的な価値が減少したのではないはずで、相対的な問題なのだ。これはCDが売れなくなったのも、出版物が売れないのも同様でないかと思う。

人間が余暇に使える時間というのは限られている。過去はその選択肢が少なかったに過ぎない。要は分母が増えてしまったのだ。対処法として分かりやすいのは、分母が増えたら絶対的な価値を高めて分子も増やしてやれば良い。しかしこうやって言葉で書くのは簡単だが、現実はとても難しい。今まで手を抜いていたなら話は別だが、スポーツ選手はみんな一生懸命プレーしていただろうし、もの作りに携わる人たちだって必死で頑張ってきたはずだ。

プロ野球がかつての栄光を取り戻すのは、正直なところ難しいはずだ。「巨人・大鵬・卵焼き」などという言葉で表現されるような価値観など、現代社会ではありえない。その昔、バスに乗り遅れることは良くないことだったが、現代はバスに乗り遅れたら電動アシスト付自転車にでも乗ればよい。楽しむべき娯楽は数限りなくある。冷静に歴史を見れば明らかだが、マジョリティがいつまでもマジョリティでいられるわけがない。かつてはプロレスだってゴールデンタイムで放送されていた。時代はいつも残酷だから、今度は野球の番だということに過ぎない。

悲観的な意見ばかり書いてしまったが、それでも野球は面白い。今後も生き残って、スポーツ新聞の一面を飾り続けて欲しい。かと言って、自分のライフスタイルを野球に合わせてまで応援するようなことはない。コアなファンになるのは他の人に任せたい。

今後分母は増えることはあっても減ることはない。分子を増やすのか、分子はそのまま、もしくは微増で新しい体制にしていくのか。物心ついた頃からプロ野球中継に慣れ親しんできた世代としては、今後のプロ野球界に幸あれと願っている。

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