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ケンタッキーフライドチキンがオープンした。私が住んでいる街の話。実は過去にもKFCは存在していたのだが、何年か前に撤退している。したがって今回はリベンジと言うことになるのだろうか。
特に大きな街ではないが、一人暮らしの人間にとって食事には事欠かない程度の飲食店は存在している。マックモス吉野家松屋なか卯かつやてんやリンガーハットデニーズジョナサンガストビッグボーイが駅から数分のところに存在している。もちろん他にラーメン屋、定食屋さん等もある。この業界について詳しくないので、これが激戦区なのかどうかの判断は私には出来ないのだが、KFCにとってはリベンジなのである。
正直言えば私にとってはKFCはどうでも良い存在なのだが、話の種に一度くらいは行ってみようと思っている。

しかし私の友人でめっぽうKFCに目がない男がいるのだが、一緒にKFCで食事をしたときなどは目が輝いていた。
彼の中学時代の話だが、土曜の午後に友達の家に遊びに行ったらしい。今では懐かしい話だが、当時は午前中は当然学校があったわけだ。彼はいったん自宅に戻り、昼食を済ませてから友達の家に遊びに行った。すると友達はまだ昼食中だった。友達の親は出かけていて不在だったので、友達は親からもらったお金でケンタのチキンを貪り食っていた。友達は彼に「良かったら食べていいよ」とチキンを勧めてくれた。彼はもちろん喜んでチキンをもらったのだが、ここで彼は自分の軽率さに後悔をする。私はKFCフリークではないので詳しくないのだが、チキンにもいろいろ部位がある。彼は見た目は小さくないが「ほとんど骨」という部位を手にしてしまったのだ。食べ盛りの彼にとって昼食後という事実は関係ない。あっというまに彼の手には骨だけが残ることになった。
その後十数分間、友達が美味しそうにチキンを食べる姿を見続けることになった彼は、それ以来KFCに特別の思いを抱くようになる。彼はチキンを頬張りながら、やや自慢げにこの話を語ってくれた。くだらない話かもしれないが、きっと人間はそういうものなんだろうなと思った。このくらいの思い入れがあった方が食事もきっと美味しくなることだろう。他人にとってはつまらないことでも、こういうこだわりが人生を楽しく生きるコツなのである。

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