andantino

件の電子手帳は製造元であるソニーが撤退。何年も使い続けているが、さすがに近頃はバッテリーの保ちが悪くなり、実用に耐えられる状態ではなくなっている。まだサポートは続いているので有償でバッテリー交換も可能なのだが、Windows Vistaへの対応等課題も多いようだし、今後も使い続けるのは心許ない。新しいPalmを購入して日本語OSをインストールするというのはなんだか面倒くさそうだし、Windows系OSを採用した機器も、イマイチ食指が動いてくれない。単にソニー好きなだけかもしれないけれど。（Windows系マシンを買うくらいであればiPhoneの方が百万倍楽しそうだ）

電子手帳の長所はアドレス管理と検索性の良さだ。紙の手帳の場合、アドレス帳で頼りになるのは頭文字のみ。二文字目以降はその人が書いた順番になってしまう。新たに知り合った人などはどうしても後ろの方に書かざるを得ないが、その点電子手帳は完全にソートされる。当たり前のことだが実に素晴らしい。
また検索も紙の手帳とは一線を画す。あれはいつ頃記入したことだろうなんて悩む必要はない。覚えているキーワードを入力するだけで瞬く間に検索完了だ。態は小さいがさすがコンピュータである。
一方、非電子の手帳はどうであろうか。私が思うに一番のメリットは気軽さであると思う。ほぼ取扱説明書を読む必要はないし、文字入力などという手続きは不要だ。そのまま文字を書けばよい。その他電池切れの心配がない（筆記用具のインクや芯切れの可能性はあり）ことや、紙の匂いが気持ちいいなどといったことがあろうか。

いろいろ考えた結果、冒頭に書いた通り紙の手帳を手に入れた。非デジタルデバイスを利用するのは私らしくないといえば私らしくないし、あまのじゃくなあたりは私らしいといえば私らしい。アドレス管理は携帯電話の機能を利用することにした。
そして選んだ手帳は糸井さんのこれだ。カバーはシンプルなナイロンのダークブルー。一年使い続けるのだから飽きの来ないものが良いだろう。
今年使い続けてみてこの手帳が気に入ったら、来年は革のカバーでも買ってみようかと思っている。ちょっと高価だがヌメ革のカバーが良さそうだ。エイジングを楽しめる革のようなので使い続ける楽しみが増すことだろう。しかし、なにより手帳そのものが気に入らないことには話にならない。飽きっぽい私が一年間使い続けられることが重要なのだ。果たして来年のこの時期どういうことになっているのだろう。

とりあえず新しい手帳を持ったが、書き込めるのは今年の12月からなのできわめて手持ちぶさたである。しかし新しいものを買ったらしばらく眺めてみたいではないか。ましてそれが生まれて初めて買った手帳というならなおさらである。したがって来年のカレンダーを眺めて、いったいどのような連休があるのか調べてみた。すると来年9月に大型連休が存在することを発見した。なんと五連休である。5月にある大型連休はかなりの確率で仕事に喰われてしまうのだが、9月であればかなり期待が出来る。これは非常に楽しみな存在である。もちろんほぼ一年後の話なので、鬼に爆笑されること請けあいでもある。我ながら手帳にこんな楽しみしか見つけられないことが悲しい。

さて、夏も終わって久しい。そろそろ山手線一周の記事を書かないと本格的に忘れてしまいそうだ。よくよく考えてみると散歩自体よりもブログの記事を書く方が大変なんじゃないかという気がしてきた。デジカメで写真を撮らなかったことも一因であるような気がする。
もう巷ではコートを着ている女性もいるというのに、これから夏の思い出の記事を書くというのもなんだかなあ・・・である。やはり夏休みの宿題は夏休みのうちにやっておくべきだと再認識した。私は三十年前から本質的になんら変わっていないのである。